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泉美木蘭
2023.5.14 12:06

ヨルダン目指すのはやめて。世界の王位継承順位をおさらい

竹田恒泰の「女系容認は敵ですから!」
とくり返している動画の下品さがすごい。
国民の8割が女系・女性でもいいと思っているのだから、
敵の人数、多すぎじゃね? と思うけど、
もはや「合言葉」を叫ぶしかなくなっているんだろう。

そんな男系男子が存在するのか、今後も男系男子限定で
皇室が続いていくのか、こまやかに考えていけばほころび
ばかりが見えてくるから、
「とにかくそれが伝統なんだ、男系男子さえ唱えていれば
日本を想う愛国者なんだ!」
と大声で言うだけという。

さて、世界の王室では、どんな具合に男系男子継承が
維持されているのか? おさらいしてみた。

●ヨルダン
王室のある国で、いまだに男系男子継承と言えば、
中東のヨルダン。
王位継承資格を持つのは、
「初代国王アブドゥッラー1世の男系の子孫で、
ムスリムの夫婦の下に生まれたムスリムの男子のみ」。
中東と言えば、一夫多妻制のイメージがあるけど、
ヨルダンはすでに結婚している妻の了承が条件で、
国王は離婚と結婚を繰り返して、子供をもうけるらしい。

●サウジアラビア
歴代国王は男子ばかりだけど、一夫多妻制のため、
初代国王に36人の男子がいたところからスタート。
親子間の継承では王族内に揉め事が起きるので、
血筋優先ではなく、能力や年齢などを総合して決めるらしい。
産油国としてうなるほどカネがあるだけに、
王族とそこに連なる大臣などが汚職で大量逮捕されたりもする
いろいろある国。

●リヒテンシュタイン
ヨーロッパの君主制国家の中で、唯一、現在も
男系男子による長子相続制度を正統とする国家。
リヒテンシュタインは、面積160平方km、
世界194か国中189位の小国。
東京都八王子市よりちょっと小さい公国。

●モナコ
男子の長子のみだったけど、2002年に憲法改正。
男子優先で、女子にも公爵位継承権が認められている。
前元首レーニエ3世公爵の時代に、一人息子アルベール2世公に
後継者がいなくなった場合に備えて、 娘の家系が継承できるよう
配慮したらしい。
その後、アルベール2世公の妻・シャルレーヌ公妃が双子を出産
した際、先に生まれた女児より、2分後に生まれた男児が、
公位継承第1位とされた。
次期継承順位は、1位が第2子の8歳男児で、
2位が第1子の8歳女児となっている。

●スペイン
原則として男系男子による継承とされているが、
直系の男子がいない場合は女王が認められる。
この規定により、現在スペインの王位継承者はレオノール王女。

【男子優先から、「性別に関わらず長子継承」に移行した国】

●スウェーデン 1980年に移行

●オランダ 1983年

●ノルウェー 1990年

●ベルギー 1991年

●デンマーク 2009年

●イギリス 2013年
2013年に王位継承法制定で、男女の区別のない長子継承へと移行。
それまで女王も女系王も認められていたが、男子優先だった。
2010年にウィリアム王子とキャサリン妃が婚約したときに、
「王位継承順位において、男女は平等であるべきですか」という
世論調査を行ったところ、
「そう思う」と回答した人が70%だった。
この結果を受けて、当時のキャメロン首相が、
男性優先の王位継承について、「異常であり、男女平等に反する」
クレッグ副首相も「時代遅れ」と断じて法改正となった。

スウェーデン、オランダ、ベルギー、スペインでは、
現在、王女が王位継承者第1位となっていて、
今後は次々と女王が誕生する予定!

竹田恒泰を信じる男系男子固執の日本人って、
ヨルダンやサウジアラビアを目指してるんですか?
いやだー!!!


ひさびさに登場。「DDD団(男系・男子・大好き団)!」

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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