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笹幸恵
2023.5.23 08:43皇統問題

突飛すぎる妄想を垂れ流す八木秀次。

まーーーーったく意味がわからない記事がヤフーに載った。

夕刊フジ
LGBT法案、安倍元首相は「皇室の危機」に繋がることを懸念
伝統的な価値崩壊も 麗澤大学・八木秀次教授が振り返る
https://news.yahoo.co.jp/articles/eebe7ba39aa1407bc20476098bb1e6d47c9ca9a8

短い記事なのに論旨が少しも明確でない。
が、安倍氏が抱いた「皇室の危機」は何かというと・・・

(LGBT法案に賛成して)「肉体は女性だが、
性自認が男性の「トランス男性」を男性として扱うことになれば、
皇位継承権者を「皇統に属する男系の男子」とする
皇位継承の原理自体が崩れる」こと。

あまりに話が突飛すぎてずっこけるが、
八木は大真面目にこう続ける。

現在でも、『皇位は、男系男子の血で継承されることに正統性を見いだす』
という考え方に反感を持ち、女系容認の方向に変えようとする動きがある。
皇室を大切にする安倍氏は、『性自認』を認めた先には
『皇室典範を変えなくても、性別の概念を変えることで、
将来的に伝統的な価値を壊すことが可能になりかねない』と
理解していたようだ。現状の拙速な議論を見たとすれば、
『尊重すべき価値観を変えてはならない』と警告したのではないか。

論理が飛躍しすぎている。

第一に、
男系男子の継承が皇位継承の原理ではないし、
正統でもない。

第二に、
LGBT法案と皇位継承問題は何の関係もない。
皇位の安定的継承は「男か、女か」ではないからだ。
「男でも、女でも」継承できるようにしましょう、
という話だからだ。
LGBT法案推進派と女系容認派を同一視するのは
明らかにミスリード。
性別の概念が変わるかどうかが本質ではないことを、
八木は理解できていない。完全なる論理のすり替え、
いや、こじつけ。いや、思い込みが過ぎる。

第三に、
拙速な議論とは何を指すのか、全く示されていない。
男系男子の継承は伝統だ!と叫び続けて、
皇統問題をいたずらに長引かせているのは誰なのか。
無駄、ムダ、まったくの時間のむだ!!!
これ以上、先送りは許されないというのに、
LGBT法案と皇位継承問題を一緒くたにして
論じる雑な思考に付き合っている暇はないよ。


それにしてもこの記事、「俺ってすごいだろ」感がプンプン臭う。

「LGBT差別禁止法案」の問題点を、安倍元首相は認識していた。
(その彼に説明しに行った俺=八木ってすごいだろ?)

2 安倍元首相は人知れずLGBT法案推進派に抵抗する動きを作った。
(それを知っている俺=八木も、たいしたもんだろ?)

3 安倍元首相は、LGBT問題が「皇室の危機」につながると意識していた。
(ちゃんと理解しているんだから、安倍元首相はわかっている人だろ?
それを判断できる俺=八木もえらいだろ?)

結局、安倍を持ち上げつつ、さらにその上に自分を立たせ、
なのに安倍の威光をかさに着てモノ申している体なのだ。
だから論旨が定まらない。
そこから読み取れるものといえば、
使えるものは何でも使え、といわんばかりの焦りと、
破綻した論理のみである。
笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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