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大須賀淳
2023.5.23 13:54その他ニュース

「猟奇的」な東京ドドンパ娘

本日(2023年5月23日)発売のFlashに待望の第2回が掲載された「夫婦の絆」
その第1回冒頭で印象的だったのが、「蜜子」の歌う「東京ドドンパ娘」です。

 

よしりん先生も以前のブログで

 

と書かれていて納得だったのですが、同記事中の

 

この記述を見て、個人的にとてもテンションが上りました!実は僕も、陽水バージョンの東京ドドンパ娘はすごいトラックだと感じていたからです。

陽水版「東京ドドンパ娘」は、2001年発売のアルバム「UNITED COVER」に収録されています。僕は当時CDを買って持っていますが、現在のサブスク配信では契約上の関係か残念ながら「東京ドドンパ娘」が収録されていません(CDには現在も入っています)。

 

陽水版の一番の特徴は、通常はありえないほど深くかけられたリバーブ(残響、エコー)の処理。完全に陽水節となった歌い方と合わせて、お気楽な雰囲気の原曲とは全く違った妖しい世界が構築されています(きっと、よしりん先生もこの雰囲気を気に入られたのでしょう)。

さて、このアレンジのスタイルですが、一般に「ウォール・オブ・サウンド」と呼ばれる手法に属します。「音の壁」の名の通り、ゴージャスなバンド編成や深いエコー処理で、一面を満たすような音像になるのが特徴です。

この手法を確立したのが、「フィル・スペクター」(1939〜2021)という音楽プロデューサー。

 

オールディーズの定番であるロネッツ「Be My Baby」のプロデュースなどで一躍売れっ子となり

 

そして、バンド解散寸前のゴタゴタで宙に浮いていたビートルズの「Let It Be」の編集をプロデュースした事で世界的に有名になりました。

 

一方、フィル・スペクターは「奇行」でも有名で、ジョン・レノンを銃で脅したり(氏が射殺されるのはずっと後)、仕上がりの気に入らないマスターテープを持って失踪したりといった騒ぎを起こしまくり、薬物中毒の悪化もあいまって引退状態になったあげく、ついに2003年には女優を射殺して収監されてしまいます。

 

そして2021年には、新型コロナの合併症で獄死…という、猟奇的すぎる人生を送った人でした。

 

そんなフィル・スペクターの開発した音楽的スタイルと、昭和歌謡とを融合させた陽水版の「東京ドドンパ娘」は、「夫婦の絆」が持つ圧巻の猟奇的テイストに、あまりにもピッタリとマッチすると、僕は感じています。よかったら皆さん、CDを入手して、曲を流しながら読んでみてください(他にも物凄いカバー曲ばかりが収録された名アルバムです)。

 

あー、本当にドラマか映画で観たい!もちろんエンディング曲は「新しい学校のリーダーズ」で!
大須賀淳

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