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ちぇぶ
2023.6.6 08:08

AERAの特集記事の欺瞞

公論戦士りょうさんがAERAの特集記事を論破!

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AERAの巻頭特集『「女性・女系天皇」を阻む壁は何か』ですが、この記事はタイトルだけ見ると男系限定の問題を指摘しているように見えるし、インタビューした「識者」には男系固執派も女系容認派もいて両論併記しているように見えます。
しかし、実際は、この「識者」は全員現状維持、あるいは小手先の変更で問題先送りという点で共通しています。
以下においてそのことを確認し、最後にこれらの意見を並べたAERAの企みを指摘したいと思います。

 

1. 森暢平(成城大学教授)
森は、「議論が深まらない最大の理由は、悠仁さまの存在です」と言い、それゆえ「今後10年ほどは動きがないと予想します」とまるで天気予報のような呑気なことを言っています。
10年経ったら愛子さまも佳子さまもご結婚されている可能性が高く、そうなると悠仁さまにお子様がお生まれにならなければ皇統断絶という危機感はゼロです。

さらに、女性・女系天皇支持者は「雅子皇后の『苦難』に共感する人たち」であると言い、「中には、秋篠宮家を攻撃する人もいて、秋篠宮家を応援する男系男子派と対立しています。この状況で皇位継承について何かを打ち出すとすると、罵詈雑言の応酬になる。落ち着いた議論が必要だからこそ、政治家たちも議論に踏み込めないのではないでしょうか」と言って、女系容認と男系固執の対立は単なる感情のぶつかり合いであり、それゆえ政治家が動かないのは当然とばかりに政治の無作為を正当化します。
しかし、皇室研究をしているのであれば、小林先生や高森先生の論理的な議論を知らないはずはなく、森は知っていながら女系天皇支持は感情論と嘘を言って、「落ち着いた議論が必要」という男系固執政治家と同じフレーズを唱えているのです。
よって、森は現状維持による(自覚しているか否かは問わない)皇統断絶推進派と認定できます。

 

2. 古川隆久(日本大学教授)
「皇室を存続させていくためには、女性・女系天皇を容認するしかありません」と言いながら、「いま皇室にいる未婚の女性皇族は、結婚後に皇族の身分を離れることを前提として人生設計をしてきました。(中略)この状況で、急にルール変更をすると大混乱が起きるのは当然のことです」と言い、「大切なことは、次に皇室で生まれる人から制度を適用するということです」と古川も問題を先送りしようとします。

しかし、女性皇族がご結婚により皇籍離脱すれば皇室に残るのは悠仁さまだけになり、悠仁さまのお妃は自分が子供を生まれなければ皇室消滅というこれまで誰も経験したことのない苛烈なプレッシャーに晒されます。
普通そのような異常な環境に入ってもいいという人は、いないでしょう。
従って、次世代からルールを変えればいいという発想は、次世代の皇位継承者が生まれることを困難にし皇室が消滅する可能性を大いに高めます。
また、女性皇族が結婚後に皇族の身分を離れることを前提とした人生設計しかしていないと、どうして言えるのでしょうか。
平成17年(2005年)11月に小泉元首相の設置した有識者会議が女系天皇容認を打ち出した時愛子さまは4歳、佳子さまは11歳になられるところであり、皇室に残る可能性があることをその後お育ちになる過程で当然意識されていたことでしょう。
また、上皇陛下が天皇の時に皇位継承問題についてお悩みになり、夜も眠れず体調を崩されることもあったことをお二人がご存じないはずがないでしょう。
さらに、譲位前の天皇陛下、皇太子殿下、秋篠宮様が定期的に集まって相談されていたことも、ご存じでしょう。

よって、お二人とも皇室に残られるご覚悟をお持ちであると考えるのが自然です。
結局、古川も、女系天皇容認と見せかけて、実態は現状維持による皇統断絶推進派と言えます。

 

3. 里中満智子(漫画家)
4人の中で明確な男系固執派。
一応里中は「確かに次世代の皇位継承者が悠仁さまおひとりしかいないのは不安です」といいながら、旧宮家系国民男子に皇室に戻ってもらう(正確には新規の皇籍取得)という、憲法14条(門地による差別禁止)に違反し、しかも具体的な候補者がいない実現不可能な案をただ素朴に持ち出すだけに過ぎません。
「何となくダンケー」です。
早く男系固執の不可能性に気づいて、自身の不明を恥じてください。

 

4. 笠原英彦(慶応義塾大学名誉教授)
笠原は「女系容認が安定継承につながることは確かです」、「かつての天皇の20世孫である旧宮家の方々を後続するのはやや無理があるでしょう」と述べながら、「基本的な部分で相いれない対立構造ができている以上、制度論だけでいま女系容認を唱えること」は難しいとし、男系男子優先を維持しつつ、内親王に限り皇位継承を認めるべきと主張します。

内親王の皇位継承資格を認めつつ配偶者や子供は国民のままというのは現実的には不可能なので、内親王の皇位継承資格容認は少なくとも女性宮家創設に繋がります。
しかし、それは女系継承容認につながるとして男系派は絶対に認めないでしょう。
結局対立なるものを重視すると、現状維持にしかならないのです。
また、女性・女系天皇を支持する世論が7割を超えている現状に鑑みれば、男系固執はごく少数であり、それをもって対立が存在するというのは、男系派を過大評価していることになります。
こう見ると、笠原も実態はやはり現状維持による皇統断絶推進派と言えます。

以上、里中は男系固執で論外ですが、それ以外の3人も女系容認云々と言いながら実態は自己保身のための現状維持派に過ぎないことを確認しました。
こうやって「識者」に女系継承を今実現するのは難しいよと揃って言わせて、現状維持の空気を作り自然に皇室が消滅するのを待つのが、AERA=朝日の狙いなのでしょう。

ちぇぶ

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