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トッキー
2023.9.16 11:11その他ニュース

森鴎外と脚気、そしてコロナ禍

先日、NHK BSプレミアムの「フランケンシュタインの誘惑 科学史 闇の事件簿」という番組で、「ビタミン×戦争×森鴎外」というのをやっていました。

明治の文豪・森鴎外、本名・森林太郎は帝国陸軍軍医のトップを極めたエリート中のエリートでした。

当時、「脚気(かっけ)」は日本人の「国民病」と呼ばれ、年間1万~3万の死者が出ており、軍でも深刻な問題となっていました。
その原因は、白米に偏った食事によるビタミンB1の欠乏だったのですが、栄養学が存在しなかった当時、原因は全くの謎で、ドイツで当時最先端の医学・細菌学を学んだことを自負する森は「細菌説」を強硬に主張。

一方、海軍軍医の高木兼寛はイギリス海軍に脚気患者がいないことに着目、原因が食べ物にあると直感し、白米をパン食や麦食に変更したところ、海軍では脚気がほぼ根絶しました。

ところが陸軍では絶対的な権威だった森が頑として栄養説を認めず、白米食を続けたため、日清戦争では戦死者1417人に対し、脚気の死者約4000人、日露戦争では戦死者約4万6000人に対して脚気の死者が2万8000人という、惨憺たる結果をもたらしたのでした。

森は死ぬまで自分の誤りを認めず、陸軍が栄養説の正しさを認めたのは森の死から3年後のことでした。

以上のことは「小林よしのりライジング」Vol.417でも詳述したのですが、番組を見てそうかもと思ったのは、「陸軍は薄々誤りに気づいていたが、森が生きているうちは認められなかったのではないか」という分析でした。

考えてみりゃ、海軍で脚気が根絶しているのに陸軍では被害を出し続けているのだから、気がつかないわけがないはずで、しかし森林太郎が認めない限り誰も何も言えず、ただ黙って森が死ぬのを待っていたと考えるのが自然です。

コロナ禍についてだって、本当は対策の全てが間違っていたと薄々わかっている人は結構いるんじゃないでしょうか?
しかし、責任者が死に絶えるまでは言えないと、ダンマリを通しているんじゃないでしょうか?

冗談じゃない!
その当時から、全てが間違っていると見抜き、発信していた人がいるという記録は、何が何でも残しておかなければなりません!

 

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トッキー

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