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トッキー
2023.9.17 09:47メディア

森鷗外と脚気、そしてネトウヨ

昨日の続き 。

脚気(かっけ)の原因が細菌だという説を唱える森鴎外こと陸軍軍医・森林太郎は、白米中心の食事が原因だと唱える海軍軍医・高木兼寛を猛批判。高木は沈黙を強いられるようになりました。

NHK BSプレミアム『フランケンシュタインの誘惑』では、その理由が森の文章力にあったと分析していました。
文豪として今も名を残す森が、その文章力を総動員して高木をコテンパンにこき下ろしたため、その表現だけで森が圧勝したかのように思われてしまったというわけです。

実は、森の論旨そのものは「白米はエネルギー効率などの面で極めて優れた食品である」というもので、高木の脚気原因白米説に対する反論には全くなっていなかったのですが、ただ「雰囲気」だけで森が正しいということにされてしまったのでした。

何かに似ていませんか?
今だって、いるでしょう?
テレビで、間違ったことしか言っていないのに、自信たっぷりにモノ申しているかのような「雰囲気」だけで、舌鋒鋭く正論を話しているかのように思われている人が!

森林太郎は、熱烈な愛国者でした。
森は、白米こそ日本が誇るべき優れた食品だと信じていました。
そして、パン食が脚気予防に効果があると主張した高木を「西洋かぶれ」と罵倒しました。
そしてその「愛国」の主張の結果、日清戦争で4000人、日露戦争で2万8千人の犠牲を出したのでした。
そもそも、白米が日本の国民食になったのは明治以降のことで、それ以前は玄米であり、玄米にはビタミンB1が含まれているため、脚気にはならなかったのです。

何かに似ていませんか?
今だって、いるでしょう?
明治以降の「男系男子限定」の制度を日本の誇りと思い込み、その「愛国」の主張の結果、皇統を断絶に追い込もうとしている人たちが!

歴史に学ぶことは無限にあります。
さすがに、ダンケー珍説のネトウヨと森鴎外を同列に並べちゃ失礼かという気も、しなくはないのですが。

トッキー

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