ゴー宣DOJO

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大須賀淳
2023.9.28 23:31

【連載】ゴー宣を通して時代を語る:第1回 1992年その1

「ゴーマニズム宣言」第1回が掲載されたのが、1992年1月22日号のSPA!

 

平成が4年目、90年代も3年目となったこの頃。すでに(1989年末の日経平均株価最高値をピークとして)「バブル景気」は終わったと認識されていたものの、後に「失われた◯十年」と呼ばれる日本の転落劇がすでに始まっているという認識は、まだまだ薄かった時期でした。

 

誰もが(ある種暴力的なまでの勢いで)世の中の変化を感じるのは、阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件の発生した1995年が顕著ですが、実は1992年は「平穏な種類」の終わりと始まりが目立って多かった年でもあります。

 

それは色々な分野で挙げられるのですが、解りやすい形で表れているのがテレビ番組

 

1992年に終了したテレビ番組の例
クイズダービー、クイズ100人に聞きました、アメリカ横断ウルトラクイズ、わくわく動物ランド、スター爆笑Q&A

 

 

このように「昭和的なお茶の間むけクイズ番組」がのきなみ終了した一方で

 

 

1992年に始まったテレビ番組の例
進め!電波少年、浅草橋ヤング洋品店、ウゴウゴルーガ、タモリのボキャブラ天国

 

 

始まった番組には、体当たり企画やサブカルの要素を多く入れたもの、新進の芸人を積極起用したものなど、トガッていて、変化を強調したものが多く見られます。

 

 

これは、金満的な価値観は蔓延しつつもコンサバティブな所から抜けきれなかったバブル期の反動として、形骸化した価値観へのアンチテーゼをズバッと示すようなスタイルが歓迎されたと言えるでしょう。

 

 

他ならぬゴー宣も、最初期のヒット要因はこれらに近い部分があったのではないかと思います。

 

表面上は「平成の中でも最も平静な時期」と言えるような空気の1992年ですが、その裏で進行する不穏な事態や歪みは、それとは全く逆の方向へ転がり始めていました。

 

つづく

 

大須賀淳

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