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泉美木蘭
2023.10.6 15:53

マスク王国にて…

弔事で三重県の地元に帰ったら、マスク王国が再臨していた。
マスクしなくてもどうこう注意されるわけではないのに、
ショッピングセンターも飲食店もマスク・マスク・マスクの人で、
入口では、消毒と体温計測の掟が復活していた。
母親からは「このへんは田舎やからマスクせなあかんのやに」
と小言を言われた。

山陽新幹線・東海道新幹線・近鉄特急と乗り継いだけど、
車内でマスクをしている人はほとんどいなかった。
なのに、駅を降りると別の掟が存在するという……。

 
大正生まれの祖母の寿命がとうとう尽きたのだけど、
遺言が、「NO葬儀、NO埋葬」とのことだったので、
家族だけで棺に花を納めるお別れ会をして、
火葬後は小さな2寸の骨壺におさめておしまい。
後日、粉骨して、お墓とは違う形で供養する予定。

認知症になってからは、ずっとにこにこして、
周囲の人に毎日「ありがとう、おおきに」と言っていたけど、
元気な時は、数々の強烈すぎる伝説を残したばあちゃんだったので、
思い出話になると、何度もふきだして笑ってしまった。

新幹線の中で、渡辺京二の『逝きし世の面影』を読みはじめた。
幕末に日本を訪れた異邦人たちによる手記を分析し、
当時の日本人がどんな様子だったのかを知り、
同時に、現代の日本人がひとつの文明と言えるほどのものを
失ってしまったのだということを考える内容。

今と比較すれば、日本人はもっともっとおおらかで、
笑いと遊びがそこかしこにあり、子どもにとっては楽園だった
わけで、
当時の異邦人たちが書き残した日本人観察録を読むと、
「未開の地の人たちみたい」と感じたり、
「それは異邦人のあなたをバカにして笑ってただけでは…」
とツッコミたくなったり、
いろんな感覚が自分のなかで右往左往するけれど、
同時に、

「こう感じる私の感覚自体が、すっかり西洋文明に染まって
いる目線なのかもしれないな…」
といった具合に、自分の感性の前提となっている感覚を
ぐりぐり揺り動かされるところがあって、面白い本だ。
まだ途中までしか読めていないけど、時間がかっても最後まで
読み切ると思う。

ジャニーズ・キャンセル事件は、
変貌してしまった日本になってから、
さらにますます「日本人らしからぬ人」ばかりになってしまい、
馬鹿と偽善に乗せられて、どこまでも悪く変質していく姿を
見せつけられているようなところがある。
流されないよう帯を締め直しておかなきゃいけない。
ゴムのスカート、はいてるけど。

 

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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