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笹幸恵
2023.11.15 16:25皇統問題

それでいいのか、内閣法制局。

衆議院の内閣委員会で、
馬淵澄夫議員が皇位継承問題についての
質問に立った。

だいぶ端折るけど、質問は大きく以下の2つ。

①旧宮家の男系男子を皇室への養子縁組の
対象として選ぶことは、憲法の平等原則に
違反するのではないか。

②有識者会議報告書にある、
旧宮家の子孫の養子縁組案が国会の検討事項と
なっているが、当事者の意向を確認する予定はあるか。



①について、内閣法制局は
仮定の話で逃げた。

一般国民であっても、旧宮家に属する方々という
皇統に属する方々が皇族の身分を取得するような
制度を念頭に置かれたお尋ねだといたしますれば
具体的な制度が明らかではございませんけれども、
一般論としては皇族という憲法第14条の例外とし
て認められた特殊の地位を取得するものでござい
ますので、憲法第14条の問題は生じないものと考
えております。

要するに
「皇族の身分を取得するような制度があるなら、
門地による差別にはあたらない」
と言っているのだ。
一般国民がその血統(門地)によって
憲法14条の平等原則の例外になるのは
憲法違反ではないのかという問いなのに、
その例外である特殊な地位を取得するのだから
問題ないよ、というわけ。
わざと論点をずらしている。倉山か。

しかも、これ、かなりの問題発言だ。
憲法の下位に位置するはずの法律で
そのような制度があれば、
一般国民でも平等原則の例外になると
言っているのだ。
一般の法律が、憲法の平等原則より優先されるのか?
憲法は国の最高法規じゃないのか!?!?


そして②は、松野官房長官が答えた。
こちらは、
「政府として宮家子孫を把握したり
接触を行ったりしていない」
「国会の議論を経て適切に対処する」
(制度化されてからでは遅い、という馬淵議員の指摘を受けて)
「個人のプライバシーに関わることで慎重な対応が必要」

スッカスカの答弁。
対象となる人が明確に存在していない中で
議論し制度化したって意味がない。
すると今度はプライバシーを楯にする。
誰が個人情報をすべて開示せよと言ったのだ???


なんだろうねえ。
国会の中に「大人の事情」というものがあって、
のらりくらりと質問を交わすのが流儀なのか?
それが政治家や官僚の仕事なのか?
それ、本当に国益になるのか?


ともあれ馬淵議員、限られた時間の中で
質問してくださり、ありがとうございました。

笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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