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大須賀淳
2023.11.23 22:11その他ニュース

【連載】ゴー宣を通して時代を語る:第9回 1994年その3

1994年は、史上稀に見る悪質な「報道被害」が発生した年でもありました。

 

その舞台となったのが「松本サリン事件」。翌年3月の地下鉄サリン事件に先行して、オウム真理教が長野県松本市の裁判官官舎を狙ったテロ事件ですが、事件後に嫌疑をかけられたのは、第一通報者であり、事件で妻を亡くした近隣の一市民でした。

 

十分な証拠が無い状態で、全くの無罪であるこの方を犯人扱いした捜査を進めた警察も大問題ですが、さすがに誤認逮捕にまでは至りませんでした。

 

しかし、テレビ、新聞、雑誌といったマスコミは、まさに「狂気」としか呼べないような憶測報道を連発週刊新潮に至っては「毒ガス事件発生源の怪奇家系図」などというタイトルで、この方の家系図まで掲載しています。

 

これ、誤報とかそういうレベルではなく、妻を亡くしてまでいる被害者を犯人扱いして、なおかつ因習的な差別心も含みながらリンチしたとんでもない所業ですよね。この四半世紀後には、杉田水脈が寄稿したLGBTへの差別記事が発端で姉妹誌の「新潮45」が廃刊となっていますが、それとは比べ物にならないレベルの悪質さです。

 

確証のない「過去についての証言」だけでジャニーズ事務所をキャンセルできるなら、今からこの件で新潮社を解体できなければ道理が通りません。「人権派」のお歴々はサボってないで、さっさとやっておくれね。

 

ところで、マスコミが無実の人をリンチしているのとほぼ同じ時期に、「坂本堤弁護士一家殺害(当時は「失踪」)事件」について、こんな漫画を描いて、その直後からオウムに命を狙われた人がいるんですねー。

 

正直に告白すると、当時18歳の自分は、まだまだお気楽に「決めつけとるがな!(笑)いやー、過激な事描いとるなー」と無責任に面白がっていましたが、ここから半年もしないうちに地下鉄サリン事件が発生し、ショックという言葉では上手く表現できないレベルで精神を揺さぶられる事になるのでした。

 

それにしても、時代の変容と共に思想のしなやかなアップデートは行われつつも

 

ゴー宣の「根」の部分は、今も全く変わっていませんね。
大須賀淳

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