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笹幸恵
2024.1.17 16:03その他ニュース

太平洋島嶼国における懸念。

ナウル共和国が台湾と断交し、中国と国交を結んだ
というニュースが報じられた。
台湾総統選挙で民進党の頼清徳氏が当選した直後、
ナウルは否定しているが、中国が圧力をかけたことは明白だ。

ナウル共和国は、太平洋にぽっかり浮かぶ、
世界で3番目に小さい島国。
品川区程度の大きさで、人口は1万2000人ほど。
車ならゆっくり走っても20分ほどで
島を一周できる。
かつて日本軍が太平洋防備のために上陸、
私の親戚はこの島で戦死している。

ブリスベンを経由してナウルへ



島には今も日本軍がいた痕跡が残る

ナウルはアホウドリの糞が堆積しリン鉱石となり、
これを輸出して大もうけ、
一時期は日本のGDPを越え、教育費も医療費もいらない、
誰も働かない島として日本のバラエティ番組にも
取り上げられたことがある。
最近では、政府観光局日本事務所のTwitterで
「フォロワー数が島の人口を超えた」とつぶやいてバズった。
台湾とくっついたり離れたり、でも太平洋の島嶼国では
数少ない台湾と国交を結ぶ国だったのに・・・。


島嶼国のひとつ、ソロモン諸島は、2019年に台湾と断交、
中国と国交を結んでいる。
直後にガダルカナル島の対岸にあるツラギ島を
中国企業が75年賃借する契約を結んだとの報道も流れた。
スリランカと同じように、中国が巨額の融資を行い、
返済できなくして港などの運営権を手中に収める
「債務のワナ」に陥ってしまうのではないか。

ツラギ島は良好な港をもち、かつて政庁があった島だ。
戦時中、日本はガダルカナル島に飛行場を建設する一方、
ツラギに横浜海軍航空隊(浜空)を置いた。
米軍はガダルカナルに上陸すると同時にツラギも攻撃、
浜空は全滅している。

約20年前のツラギ島
太平洋の地図を広げてみると一目瞭然なのだけど、
ソロモン諸島はアメリカとオーストラリアの
海上交通路を遮断するのにもってこい、
地政学的にも重要な位置にある。
かつて日本軍はこの米豪遮断を「FS作戦」と呼んだ。
中国は日本の公刊戦史ともいえる戦史叢書を
熟読しているとしか思えない。

中国の「一帯一路」のスローガンは
大陸方面に目が向きがちだけど、
太平洋においても彼らは足場を着々と固めている。
笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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