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トッキー
2024.3.1 20:40その他ニュース

倉持氏・金塚氏の『クソすば』を見て

2月27日に配信された、倉持麟太郎氏と、日仏両国の弁護士資格を持つ金塚彩乃氏の番組を、ようやく拝見しました。

金塚彩乃×倉持麟太郎
『うつろう権利~人工妊娠中絶とフランス憲法改正』このクソ素晴らしき世界#115

お話は、「フランスでは人工妊娠中絶の権利を憲法にまで書こうとしているのに対して、日本は『堕胎罪』まであるにもかかわらず、議論も起きない。日本は遅れている」(ざっくりした要約ですが)というところから始まります。
しかし、ここで疑問が湧いてきました。
だったら、なぜ日本では人工妊娠中絶が年間10万件以上もあるのに、堕胎罪で摘発が行われたという話を全く聞かないのでしょうか?

そこで一旦動画を止めて、ネットで調べてみました。
するとどうやら、日本には「堕胎罪」はあるけれども、ほとんど空文化しているようです。

日本では母体保護法(旧優生保護法)によって、
「妊娠の継続又は分娩が身体的又は経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれ」がある者、
「暴行若しくは脅迫によつて又は抵抗若しくは拒絶することができない間に姦淫されて妊娠したもの」
については違法性が阻却されることになっているので、堕胎罪はほとんど適用されていないそうです。

金塚氏も当然それは知っていて、番組の最後近くになって、日本の「堕胎罪」がほとんど適用されていないことに触れ、適用されていない法律は正式に改正してきちんと整備し直さないと、法体系の尊厳の問題に関わると言っていました。

しかし、それなら「フランスは進んでいる、日本は遅れている」事例として、最初に「日本には堕胎罪まであるのに、議論が起きない」ということを強調したのは、明らかに不適切だったのではないでしょうか?

日本の堕胎罪はあってもなくても同じようなもので、堕胎の規制は極めて弱く、これを強化しようという動きもないのだから、議論が起きないのも当然といえば当然で、この件に関しては、フランスより日本が遅れているという話とは違うのではないでしょうか?

金塚氏の話を聞くと、中には本当にフランスが進んでいて、日本が遅れているのだろうと思わされるようなことも多々ありました。
しかしこういうことがあると、意地の悪い人が聞いたら、金塚氏はフランスが好きすぎて、ミスリードしてでも「フランスは進んでいる、日本は遅れている」と言いたいだけだと思ってしまうのではないかと危惧しました。「贔屓の引き倒し」というやつです。
こんなことで信用性に疑問を持たれたのでは、もったいないと思います。

あと倉持氏が、「先進国」で「皇室の男系主義・死刑存続・堕胎罪」が揃っているのは日本くらいだと発言していましたが、「堕胎罪」は空文化しているし、「死刑制度」については、日本においては内閣府の世論調査で「死刑もやむを得ない」が80.8%にも上っています。
そこには、日本なりの理由があるはずで、それを「皇室の男系主義」とセットにして「後進国」扱いしていいのかという疑問も湧きました。

女性天皇容認も、死刑制度存続も、世論調査の数字は約8割。ほぼ「国民の総意」です。

トッキー

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