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泉美木蘭
2024.4.19 13:54

トンデモすぎる百地章の「正論」

今朝の産経新聞「正論」、百地章が、
旧宮家からの養子案は「実現は間違いなかろう」とした上で、
歴史上、「女性宮家」という概念も言葉もなかったとし、
女性宮家の創設など考えられないなどと書いている。

養子案が成立したところで、
実際にその特例法に則って養子になる人物や、

その人物を受け入れる養親がいなければ「実現」などしない。

おまけに百地章、
女性皇族が民間人の男性と結婚したあとも、

皇族の身分を保持するという案について、
仁孝天皇の娘・和宮親子内親王が第14代将軍徳川家茂に嫁いだケース、
後陽成天皇の娘・清子内親王が鷹司信尚と婚姻したケースを
引っぱってきて、
いずれも皇族のままの結婚だったという理由で肯定している。

江戸時代の政略結婚の例を、堂々と今の皇室に当てはめてしまう
時代錯誤っぷりが
すごい。

女性皇族が、結婚後も皇族の身分を保持していた時代は、
「皇族の血筋かどうか」が身分を決めていたので、
逆に、皇族でない女性が皇族の男性と結婚した場合は、
皇族の身分にはならないというのが原則になっている。

現代は、「血筋」ではなく「結婚」によって身分が決まる。
だから、民間人の女性が皇族の男性と結婚して、
皇室に嫁ぐと、
皇族の身分となる。

この原則に沿うなら、
男女関わらず、民間人が皇族との「結婚」によって
嫁入り・婿入りし、
皇族の身分となることを認めるのが
本筋だろう。

現代とは違う制度を、都合よくちょっとだけ持ってきて、
原則を壊してしまい、
女性皇族だけを自分たちの思い通りに法律に当てはめて
やれという
浅ましさがすごい。

「妻は皇族、夫と子供が民間人」という家庭ができたとき、
どこで生活するのか? 警備は?
一般のマンションや一戸建て住宅から、
妻が「公務」に出かけるの?

「皇族」という身分は、単なる「職業」なのか?

百地章は、この「住居」の問題について、
「総理大臣などの公人は私人である家族と共に首相公邸に住む」
という例が参考になるなどと書いている。

首相公邸と、皇族方のお住まいになる皇居や御用地を混同して、
民間人をそこに住まわせようと考えているらしい。

男尊女卑の男系固執派って、なにを考えてるの!?

 

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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