ゴー宣DOJO

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大須賀淳
2024.5.2 15:23その他ニュース

「元文春記者」と〝正義〟

「ゴーマニズム宣言 2nd Season」第1巻収録の「憲法と山尾志桜里の真実(5/25のゴー宣DOJO in大阪「週刊文春を糾弾せよ!」に参加or視聴される方で未読の方は事前にぜひ→書籍へリンクには、当時週刊文春の記者だった赤石晋一郎という人物が登場します。

 

赤石は、ゴー宣に出た翌年の2019年にジャーナリストとして独立し、現在は「元文春記者チャンネル(スクープ考察系YouTube)」というYouTubeチャンネルを運営するなどの活動を行っています。

 

それにしても、フリーになったジャーナリストが「元職場の名前」をデカデカと掲げてチャンネル運営って…シンプルに「ダサい」。

 

実はこのチャンネルの動画に、よしりん先生と会った時の事を語っているものもあるのですが、それはまた別稿で。

 

その赤石がnoteに書いた「週刊誌という「世界」#9 スター記者と週刊誌的「正義」の話」という文中に、色々と違和感を感じる部分がありました。

 

(以下、引用は上記のnoteから)


僕はこう言うと恥ずかしいのだがフライデー時代から”正義感”だけで週刊誌の仕事に取り組んでいた。小泉政権追及もしかり、ライブドア事件でも死という不正義な状況に憤りを持っていた。政治資金を洗い、政治家の素行を検証し不正はないかチェックする。反権力こそが記者がやるべき仕事だと思っていた。


 

赤石は1970年生まれなので、仮に大学卒業直後にフライデー編集部(文春の前に所属)に入ったとしても1992年以降あたりのはず。ビートたけしの殴り込み事件が1986年なので、写真週刊誌というものがどういった存在なのかの認識は、世間の隅々までしっかりと広がっている時期です。

 

職業意識上の心得としてはともかく、上記の記述から私が真っ先に思い浮かべた言葉は「純粋まっすぐ正義くん」でした(反権力だけど、フリーになって5年もたつのに「元文春」と、文春の名前の権威でビジネスしてるのね)。

 

続けて赤石は、このように述べています。


だが一方で葛藤もあった。正義だと思って必死にもがいても、正義が実現することは稀だし、そもそも正義も主観的なものではないかという疑念も自分のなかに産まれ初めていたのだ。


 

おお、いいじゃない!その葛藤の中に道筋を見出し、覚悟を持って歩き始めたその時こそが、本当の意味での「報道人としてのスタート」なはず。

 


正義を主張すればするほど、週刊誌(もしくはメディア)は袋小路に迷い込んでしまうことになる。それは、週刊誌が抱えている”売れるからゴシップを記事にしている”という現実が汚いものにしか見えなくなってしまうからだ。


 

「汚いものにしか見えなくなった」現実と対峙した時、人はどうするか。「その汚さを、自分自身のものとして受け入れる」「少しでも理想の形に変えていく」「決別し、離れる」それぞれ形は違っても、これらは皆、一定の覚悟や決断を伴った行動です。

 

はたして、赤石はどのような覚悟に至るのか?読み勧めると、開いた口が塞がらなくなりました。


不倫報道を読んで価値観を変えた読者もいる。そこに含まれているドラマが、読者には何らかの意味がある場合もあると気付いたのだ。

 

それから僕は、物語を知る面白さを、もっと世間に伝えようという意識で仕事をするようになったのだ。それは決して反権力を捨てるということではない。物語を探っていきながら、権力はなぜ腐敗していくのかをより深く探ることも出来る。つまり多様な視点を持つことこそが必要なのだ。

 

世に物語や人間の不可思議さを伝えながら、少し正義もやってますが、おそらく週刊誌記者の正しいスタイルなのだと思う。


 

なんという欺瞞と独善!

 

世に物語や人間の不可思議さを伝えたくなったなら、現実の取材内容をモデルにしつつも、小説などの形で発表する作家になれば良い。

 

だけど、週刊誌の記事というのは、書かれた対象が社会的に(時には実際の命までも)抹殺される可能性まではらんだ、非常にシビアな存在です。

 

それを、大手出版社のメディアに属し保護されながら(辞めてまでその看板にすがりながら)「少し正義もやりながら、世に物語や人間の不可思議さを伝える」などという言葉でカモフラージュするのは、自分の醜さと向き合いたくが無いための、最低の欺瞞、精神の堕落ではないか。

 

この種の輩は、ただ単に頭が悪くて人権真理教になっているだけの者よりもはるかに悪質で、公を毀損する存在です。

 

こうした心の闇については、陰翳礼讃せずに(笑)ビカーッと強烈なライトを当てて白日の元へ引っ張り出しちゃるぞ!

大須賀淳

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テーマ: ゴー宣DOJO in大阪「週刊文春を糾弾せよ!」

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