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高森明勅
2024.5.12 12:08皇統問題

羽毛田元宮内庁長官が「女系天皇」の可能性を訴えた背景とは

「毎日新聞」3月15日18時30分配信記事で、
羽毛田信吾·元宮内庁長官が福岡市で皇位継承問題についての
講演(「毎日·世論フォーラム」毎日新聞社主催)を
行ったことを報じていた。

羽毛田氏は講演の中で、「『(皇室制度の)改正に向かって
具体的な動きを起こすことは待ったなしだ』と強い危機感を示し」

「『皇室に女性がいなくなれば、女系に広げる
選択肢はそもそも成り立たなくなる』として…
国民的な議論を早急に進めるように呼びかけた」という。

宮内庁長官経験者が、政治的な取り組みが進んでいる最中に、
ここまで踏み込んだ発言をすることは、恐らく異例だろう。
それほど羽毛田氏の「危機感」は深いと言える。

しかし、この記事が持つ“重み”がきちんと
理解されていないのではないか。

改めて指摘する迄もなく、羽毛田氏は平成時代に
上皇陛下、今上陛下、秋篠宮殿下のお三方による話し合いが
始まった当時の宮内庁長官だった。
この話し合いの場には長官も陪席を許された。

この話し合いの最も重要なテーマは皇位継承問題だったと拝察され、
この話し合いによってお三方の合意は既に確保されている、
と受け止めるのが自然だろう。
羽毛田氏はその合意内容を最も正確に知り得る立場の1人だった。

こうした事情を踏まえると、講演での同氏の発言は当然、
お三方の合意を踏まえたものと考えなければならない。
少なくとも、それに背くような発言はできないだろう。

そうであれば、女性天皇·女系天皇についての
お三方のお考えがどのようなものであるかは、
自ずと察することができる。

それは、先の共同配信の世論調査の結果が示す国民の
圧倒的多数の意向(女性天皇を認める90%、女系天皇を認める84%)
とも合致する。

憲法上、天皇は「国民統合の象徴」であられ、その地位は
「国民の総意」に支えられるべきものとされる。
政府·国会は、皇室ご自身のお考えと圧倒的多数の国民の願いに、
誠実に応える義務があるはずだ。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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