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高森明勅
2024.7.6 10:47皇統問題

旧宮家養子縁組案の対象とされている人達が非嫡系という問題

多くの問題点が指摘されている
旧宮家養子縁組プランについて、これまで見逃されがちな
論点も追加しておく。

有識者会議のヒアリングで憲法学者で
京都大学名誉教授の大石眞氏が指摘された問題点だ
(令和3年5月10日提出の説明資料)。

「現行法が採用する強い嫡出制原理との
整合性という点から考えると、『皇統に属する男系の男子』が
すべてそのまま対象者·適格者になるとするのは問題であろう」
(6ページ)。

これは具体的には皇室典範第6条の規定を踏まえている。

「嫡出の皇子及び嫡男系嫡出の皇孫は、男を親王、女を
内親王とし、三世以下の嫡男系嫡出の子孫は、男を王、女を
女王とする」

この規定によれば、「皇統に属する男系の男子」であっても、
非嫡出·非嫡系の場合は皇族に含まれないことになる。
ところが、例えば養子縁組の具体的な候補とされている
賀陽·久邇·東久邇·竹田の諸家は以前にも紹介したように、
全て“非嫡系”という事実がある。

皇室典範が施行された当時、皇族だった人々は
附則第2項の経過措置によって僅か5ヵ月ほど皇族の身分に
とどまっていたものの、その子孫が非嫡系である事実に
変わりはない。

よって、大石氏はその点を指摘されたのだろう。
それらの人達が「そのまま対象者·適格者になるとするのは
問題であろう」と。

追記
「女性自身」7月9日発売号にコメントが掲載される。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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