SPA!8月26日号掲載
神功皇后論
『クマソは蛮人ではない』の
感想ご紹介です!
【枯れ尾花さん】
「神功皇后論 クマソは蛮人ではない」読ませていただきました。
それにしても建国論でありながら、まさか景行天皇のように天皇自らが国を統一するためにこのような卑怯、謀略行為を行っていた話があるとは意外であり驚きです。
この建国論を子供の時に手にしていたら恐らく私は途中で読むのをやめていたかもしれません。
しかし、60数年生きてきて人の何たるかをある程度知る今となっては、むしろリアルであり益々のめり込めそうです。
加えて古代史に全く疎い私にとっては一つ一つのエピソードが新鮮ですね。
また、そのような古代においても先生の描かれる神功皇后の存在感は際立っています。
まさに、圧倒的!
【mantokunさん】
今回も、タラシヒメの凛々しく美しい御尊顔からスタートして眼福でした。
ナカツヒコ王が存命だった時と比べて、明確に君主としての覚悟を備えた表情、たたずまいになったように見えます。また、鴨別との戦いから武内宿禰の表情が凛々しくなって、男前な顔立ちになっているのも興味深いですね。若い鴨別が景行天皇の策略を聞いて、「ひどい話だ」と青ざめているのは、タラシヒメと宿禰の老練さとの対比にもなっています。
三角縁神獣鏡と四つ指の龍が表すものは果たして?!と気分が最高潮になったところで、こんなところで終わりか〜い! 今回はみずらポカQ登場もあって、悲惨な場面の中でも笑えるシーンがあって和みました。
景行天皇から仲哀天皇、神功皇后(天皇)に至るまで、熊襲を服従させるための戦いと策略が、いかに大和朝廷の確立に重要であったかが分かります。その後、奈良時代になっても九州地方の隼人が大規模な反乱を起こしていますし、平安時代になっても蝦夷との戦いが続きました。
当時を舞台にした創作作品では、天皇(大王)を侵略者として描いたものをよく見かけますが、大王が天皇となり、古代の豪族連合のトップから仁徳によって民を束ねる権威へと転換を遂げたからこそ、日本列島に暮らす人々が精神的支柱である天皇の下に、国民としての意識を持てるようになったのだと思います。
この土台があったからこそ、後に明治維新や敗戦後の混乱の中でも、日本は完全な無秩序状態に陥らずに済みました。天皇にとって最も重要なのは性別などでは断じてなく、国と民を思う仁愛の精神と、それを行動によって示すことで、国民の精神的紐帯となり得るカリスマ性なのだと理解が深まっています。
「古事記」と「日本書紀」の記述の相違点から古代の実情を追い、それをさらに想像で補って、ギャグ漫画としての描写も織り込み、しっかり読者を楽しませつつ日本建国を解き明かす…「神功皇后論」は何とも贅沢な作品ですね。
「大和朝廷を正当化するために書かれた」
と決まり文句のように言われ、
捏造の書だと唱える者までいる
古事記・日本書紀ですが、だったらなぜ、
こんなダーティなことをやらないと
クマソに勝てなかったということが
書かれているのでしょう?
興味は尽きません。
そして明日は
SPA!9月2日・9日合併号発売日。
『神功皇后論』は題して
『三角縁神獣鏡』
前回ラストに登場した三角縁神獣鏡、
これは一体いかなるものなのか?
そして、オキナガタラシヒメが持つ
秘策とは何か?
どうぞお楽しみに!!




















