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笹幸恵
2025.9.13 14:01日々の出来事

憲政の常道を雑に語る「倉山の常道」〜SPA!倉山記事

底の浅いつぶやきの羅列を
正しく形容する言葉はあるだろうか。
戯れ言?
無駄口?
妄言?

『SPA!』9/16・23号の倉山記事。
今回は再び日本の政局について。

前半では「憲政の常道」に対する雑な言及(説明ですらない)。
しかも吉野作造を引き合いに出して、
「(憲政の常道の)反対語は『憲政の変態』」
などと書いている。
勝手な定義づけと、本質を語らず外堀を埋めるだけで
何かを語ったつもりになっているのが倉山の常道だ。
深い含意を分析する思考も語彙も持ち合わせていないのだろう。


後半では、「頭の体操」として維新の会をヨイショしており、
連立入りの条件として、以下3つを挙げている。
①維新から首相を出すこと
②大阪副都の法案を通すこと
③皇位継承問題を片付けること

①では、国会議員で、共同代表の藤田文武を「総理に」と
持ち上げている。
何のことはない、自分の番組に出てくれた仲良しちゃん。
藤田が総理になることへの国益が2、3行でもあればまだしも、
書かれているのは、
「総理になれば伊藤博文に次ぐ史上2位の若さ!」
これだけ。

②は副首都を大阪に置く話だが、現在、維新は「法案を作成中」だとか。
いまだ中身が固まっていない法案を通すことを条件にするって、
憲政の常道に反してないか?

③は、倉山が藤田を「尊皇派」と言うくらいだから、
ゴリゴリの男系派なのだろう。
それはつまり、伝統と因習の違いもわからない、
歴史に虚心坦懐に向き合うことを知らないバカということだ。
しかも皇位継承問題をどう片付けるかには一切触れず、
「首尾よく仕上げれば、新井白石以来、300年に1度の大事業」
だって。
新井白石って。


しかも無責任発言はまだ続く。

自民党と組んだ政党はほとんどすべて潰れているが、
やり遂げれば未来がある。
不滅の実績さえあれば、若くして首相になり
2年で使い捨てられた海部俊樹のようにはならない。

自分で「すべて潰れている」と言っておきながら、
「未来はある」とはどういう意味?
「やり遂げれば」って何を?
前後の文脈からいえば皇位継承問題なのだろうが、
では何をもって「不滅の実績」となるのだ?

はぁぁ〜〜。(ため息しか出ませんよ)


普通、人は書くことによって考えが整理される。
だが、より正確に言えば、
「誰もが理解できる文章を書こうとする努力によって」
自分の考えが整理されるのだろう。
それは脳内と、アウトプットされた文章との
双方向的な対話によってしか、なし得ないからだ。

倉山にはその努力の形跡が一切ない。
だから「つぶやきの羅列」でしかない。
しかも政局を単なる将棋の駒遊びのように弄ぶ。
皇位継承問題を取り上げているときとそっくりだ。
大局観も一切ない。
これもまた倉山の常道である。

挙げ句、最後には
「政界の浄化を、計画的に進めてみてはどうだろうか」
だって。
思いつきしかない倉山がそれ言う?
悪い冗談としか思えない。

笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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