去る9月6日、秋篠宮家のご長男、
悠仁親王殿下の“19歳の”お誕生日に、
皇室にとって40年ぶりの成年式が執り行われた。
これについてはプレジデントオンラインの連載
「高森明勅の皇室ウォッチ」で取り上げた(9月10日公開)。
https://president.jp/articles/-/102083この時の悠仁殿下のご態度が立派であられたことは、
多くの国民の印象に残ったのではないか。
しかし一部に、その事実から直ちに、
敬宮殿下が将来即位されることを望む声への
疑問や否定に短絡する議論も、あるようだ。或いは今後、悠仁殿下の“露出”を増やすことで
「愛子天皇」待望論に対抗すべし、といった
軽薄な論調も見られるのは、残念だ。改めて述べるまでもなく、皇位継承問題の焦点は、
国民の立場から皇室の方々の個別の優劣を
比較·論評するごとき、非礼·不敬な「人格論」ではない。
そうではなくて、現在の皇室の危機を招いた
皇位継承ルールが抱える“構造的な
欠陥”=側室不在の一夫一婦制で少子化なのに
男系男子限定というミスマッチを、
いかに解消するかという「ルール論」だ。その欠陥を解消しなければ、皇位継承は
やがて行き詰まり、皇室の存続そのものが難しくなる。逆にそれが解消すれば、健全なルールによって
皇位継承の危機が緩和される。それと共に、直系優先の原則が女性皇族にも
適用されるので、結果として敬宮殿下が
「直系の皇嗣」=皇太子になられ、
次の天皇として即位されることが確定する。
そういう順序だ。結局、皇位継承問題を巡る議論の正否を
判断する手掛かりは、以下の3つだけ。①皇室の「危機」をちゃんと直視ししているか、どうか。
②その危機の「原因」を正しく探り当てているか、どうか。
③原因を探り当てたら、それを取り除いて
「解決」に向かう姿勢があるか、どうか。この3点に目を向けると、
あらゆるゴマカシに惑わされず、
ちゃんと正否を見破ることができる。▼追記
①9月22日発売の「女性自身」と「週刊女性」にコメント掲載。
②プレジデントオンライン「高森明勅の皇室ウォッチ」の
今月2本目の記事は9月24日午後4時に公開予定。▼高森明勅公式サイト
https://www.a-takamori.com/
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