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笹幸恵
2025.10.3 19:34皇室・皇統問題

三笠宮家の分裂、新儀なのに倉山は「問題なし」。なんだそれ。

三笠宮家と三笠宮寬仁親王妃家。
皇室経済会議で決まったとの報道から、
どうもモヤモヤが拭えない。
信子さまと彬子さま、母娘の長年の確執はよく知られているが、
だからと言って宮家を二つに分ける??

しかも「親王妃家」という全く聞き慣れない宮家の誕生。

一から十まですべて詳らかにしろとは言わないが、
今なぜ新しい宮家を創設するのか、
何を根拠にそうした動きになったのか、
そのぐらいは明らかにしたっていいんじゃないの。
あまりに唐突なんだから。
できない理由があるのなら、不信感を抱かざるを得ない。

旧宮家系男系男子の養子の受け入れ先を作ってるのか???

こうした憶測が新聞に書かれていたことに触れ、
「朝日新聞なんか、すでに気づいてますよね〜〜♪」と
嬉しそうに自分の番組で語っているのが倉山だ。

(朝日新聞は)政府の謀略だっていうけれど、
これは正しい謀略ですからね、
私は推進したほうがいいと思いますけど♪

しかし皇室は「先例こそが掟」だと日頃言っている倉山サン、
親王妃家の創設は、新儀中の新儀!
これ、徹底批判しなきゃダメでしょうが!

ところが、こんな感じ。

「ん〜、まあちょっとだけ問題があるけど、
本質的には何の問題もない」


な・ん・じゃ・そ・りゃ。


自分の思い込みだけで皇室を偉そうに語り、
その主張に綻びが出ると先例を持ち出してごり押しする。
ところがそれだけでは説明できない(あるいは自分にとって
好都合な)場合、先例に固執するのではなく
「准じて変えて大枠を守る」ならいいと嘯く。
今回の三笠宮家の分裂も、
「伝統の大枠を外してないからOK」なんだと。

この大枠とは何か。

「パンピーの男を皇室に入れないこと」

・・・・・・。
・・・・・・ツッコミを入れ始めたらキリがないので止めておく。

いずれにせよ、こうしてなし崩し的に
外堀を埋めていくようなやり方、
国民の皇室への不信感を増幅させていくだけだ。

パンピーの男を入れたら日本の国体は崩壊、と
倉山は言うけれど、アホすぎる。
皇室に対する国民の敬愛がなくなったとき、
日本の国体は崩壊するのだ。

笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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