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高森明勅
2010.5.28 16:15

旧宮家系国民男子の皇籍取得について

皇位継承の危機打開をめぐって、こんな意見がある。

医療水準が向上し、乳幼児の死亡率が低下した現在、側室がなくても、4か5の宮家をつねに確保できれば、確率的に男系限定は維持できるはずーー。

だが果たしてどうか。

この提案を実現するには、旧宮家系国民男子で未婚ないし継嗣となり得る男子のいる方が、少なくとも4、5人以上、皇籍取得の意志を自ら固めて頂くのが、最低限の条件となる。

それは可能か。

対象となり得る候補者は10人ほど。
2人に1人が決意してくれないと無理な計算だ。

保阪正康氏は「希望している人はほとんどゼロ」と言う(『月刊現代』平成18年2月号)。

竹田恒秦氏も、自分の皇籍取得については「完全に否定」し、自分以外に「覚悟を持った者も複数存在する」と曖昧に述べるのみ(『伝統と革新』創刊号)。

「4、5人以上は大丈夫」とは言えないようだ。

(つづく)

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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