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高森明勅
2010.5.31 13:24

旧宮家系国民男子の皇籍取得(4)

(1)〜(3)によって、旧宮家系国民男子の皇籍取得による男系限定の維持が、残念ながら実現可能性のない空論にすぎないことが明らかになった。

しかも、その妥当性についても、これまで疑問視する指摘がある。

「占領下に皇族の籍を離れられた元皇族の復籍ということが一応問題として考えられる・・・・が、その事情のいかんにかかわらず、一たび皇族の地位を去られし限り、これが皇族への復籍を認めないのは、わが皇室の古くからの法である。

明治40年の皇室典範増補″第6条皇族の臣籍に入りたる者は、皇族に復することを得ず″
とあるのは、単なる明治40年当時の考慮によりて立法せられたものではなく、古来の皇室の不文法を成文化されたものである。

・・・・この不文の法は君臣の分義を厳かに守るために、極めて重要な意義を有するものであって、元皇族の復籍と云うことは決して望むべきではないと考えられる」

(神社新報社政教研究室『天皇・神道・憲法』昭和29年、原文は歴史的仮名遣い、漢字を一部かなに改めた。)

(つづく)

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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