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高森明勅
2010.8.28 05:26

安全保障懇談会の報告書

首相の諮問機関「新たな時代の安保保障と防衛力に関する懇談会」の報告書が提出された。

内容は、冷戦期が遥かな過去となった「新たな時代」に相応しい防衛のあり方に向け、たとえ半歩でも踏み出そうとするもの、と評価出来よう。

具体的には

(1)「基盤的防衛力」という名の事実上の防衛サボタージュからの脱却、

(2)非核3原則の将来的な見直しへの示唆、

(3)武器輸出3原則のもと、不当に拡大された武器禁輸政策の是正、

(4)集団的自衛権をめぐる従来の奇々怪々な公権解釈の変更ーーなど。

いずれも自民党政権が、問題の先延ばしを繰り返ししてきたテーマだ。

普通の「一人前」の国家なら、とっくにクリアして当然の課題ばかり。

我が国が巨大な国力を持ちながら、いつまでも、ほとんど世界で唯一、アメリカの「ポチ」的な地位に縛り付けられ続けているのは、こうした自前の国家存立の基礎を整えないで、全てアメリカに依存して来たからに他ならない。

今回この報告書が、民主党の代表選挙の直前に提出されたのは興味深い。

これまで、安全保障政策は民主党の最大のウィークポイントと言われて来た。

だが、野党時代ならともかく、政権党となった以上、それでは通らない。

ぜひこの報告書を格好の素材として、菅・小沢両氏は国防をめぐる堂々の政策論戦を展開してもらいたい。

それがきちんと出来るか、どうか。

このことは、国民が民主党を評価する際の、重要な着眼点の一つだろう。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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