ゴー宣ネット道場

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小林よしのり
2014.5.13 02:49震災・原発問題

「美味しんぼ」の鼻血の件


「美味しんぼ」の鼻血シーンがどの新聞にも載っている。

漫画は読んでないが、主人公が福島第一原発の構内を

取材した後日、原因不明の鼻血を出すという話らしい。

「そんなにすぐ被爆の症状が現れるかな?」とわしは

思う。

それなら現場の作業員はもっと多数、鼻血出す者がいる

はずだが、聞いたことない。

あんまり過激に描きすぎると、信憑性がなくなるし、

そもそも雁屋哲は左翼だから、ノンフィクションを

混ぜるとマユツバものになる。

 

『ゴーマニズム宣言』は主人公が作者だから、

作者の身に起こったことしか描けない。

もしわしが福島から帰ってきて鼻血が出たシーンなんか

描いたら、明白に嘘になるのだ。

実は二度の福島取材のあとで、何十年ぶりに喘息の発作

が出て、放射線の影響かと思って病院で聞いたら、

それはないと言われた。

だから当然、描いてない。

意味深に喘息が出るシーンなんか入れてない。

 

「美味しんぼ」の場合は、フィクションと

ノンフィクションの境界が曖昧すぎる。

架空の主人公が鼻血を出したら、どう解釈すればいいのか

わからなくなる。

架空の主人公だからフィクションか?

だが架空の主人公に関わる人物は、実在の人物だから、

ノンフィクションなのか?

 

「嫌韓流」のときも同じ疑問を感じたのだが、主人公が

架空の人物なのに政治的主張をしてたら、リスクを軽減

できるから卑怯だと思う。

「美味しんぼ」の場合は、すでに愛読者が架空の主人公に

感情移入しているのに、その主人公に鼻血を出させたのだ。

これもちょっと邪道すぎる。

 

ただしこの鼻血描写の件で、「風評被害」を起こす危険が

あるから「描くな、報じるな」という圧力をかけるのは

また問題がある。

低線量被爆の影響が原発ムラによって封殺されているのかも

しれないから、守銭奴と権力者と御用学者の洗脳活動には

騙されてはいけない。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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