(2)提案が実現する可能性も不透明だ。
百地氏は候補者として何故か、
旧宮家系国民男子の「未成年者」4人だけを例示しておられる。
これは、竹田恒泰氏のこれまでの振る舞いなどを念頭に置いて、
除外されたのだろうか。
確かに、旧宮家系の4人の「未婚の成年男子」の場合、
竹田恒泰氏以外も、秋篠宮殿下より年上だったり、
織田信長の生まれ変わりと称する「プロのゲーマー」だったり、
これから新宮家を創設して戴くのに、果たして「ふさわしい」
かどうか、疑問視されよう。
しかし未成年者の皇籍取得には、それ以上の困難があるのではないか。
百地氏は、
「皇室のご意向を伺いつつ、ふさわしい方々に皇族になっていただき」
とおっしゃる。
だが「皇室のご意向」以前に、
保護者や本人の意向が最優先されるべきは、勿論だ。
対象となるのは、具体的には次の4人。
〈1〉賀陽(かや)正憲氏のご子息2人(十代後半)。
〈2〉東久邇征彦氏のご子息1人(小学生)。
〈3〉同照彦氏のご子息1人(小学校入学前)。
この中、賀陽正憲氏は、
かつて、愛子内親王殿下のお婿候補になる可能性があることについて、
見解を質された時、次のように述べておられる。
「立場が違いすぎ、恐れ多いことです。息子たちはPSPで遊ぶ、
普通の男の子です。
皇室様へのお婿入りなど考えること自体、失礼と思います」と。
既に民間に入って歳月を経、世代も替わっている以上、
皇室と国民の区別を弁えた、極めて健全な反応だろう。
お婿入りについてさえ、このように固辞されているのであれば、
ご結婚も介さないで「皇族になっていただ」くなど、
ますます困難だろう。
東久邇征彦氏も同じ質問に、こう答えておられる。
「仮にそのような要請があっても、それは現実的に難しいかなと。
そんなお話になってもお断りさせていただくと思います。
息子には普通に生活してほしいと思っていますので」と。
より明確な“辞退”の意志表示だ。
弟の照彦氏はどうか。
「コメントは差し控えさせていただきたく存じます」としつつ、
取材記者によれば、他の2人と同様、「大困惑の態」だったという。
以上のようであれば、旧宮家系未成年男子の皇籍取得の実現可能性に、
決して過大な期待は出来ない。
そもそも現代の日本で、
未成年者を親からも親戚からも友達からも引き離して、
全く別世界の皇室に迎え入れ、独立した新しい宮家を創設するという
プラン自体、頗る無理がある。
その養育には誰が、どのような立場で当たるのか。
(皇室内に)親もいない、ご公務にもつけない、
祭祀にも参列出来ない未成年の「皇族」(新宮家の当主?)を一体、
皇室の中にどう位置付けるのか。
「皇室のご意向」と言っても、対応の仕様があるまい。
宮家の創設を成年になるまで待つのなら、
今いる未婚の成年男子との関係は、どうなるのか。
難題山積で、およそその実現可能性は限りなくゼロに近いだろう。
(つづく)