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高森明勅
2014.11.12 15:05

衆議院の解散は「天皇の国事行為」である

憲法は、衆議院の解散が天皇の国事行為であることを、
明記している(
第7条)。

天皇陛下の「解散の詔書」によって、はじめてそれは行われ得る。

もちろん、国事行為には内閣の「助言と承認」が欠かせない
(第3条)。

だから事実上、内閣総理大臣が解散の時期を決定出来ることになる。

ならば何故、憲法上、内閣総理大臣“単独”の専権事項とされないのか。

国権の最高機関たるべき国会の衆議院の任期満了前に、
全議員の資格を奪う解散は、国家にとって重大な意味を持つ。

よって、それがその時々の首相の私利私欲、党利党略など、
恣意的な理由によってなされてはならないからだ。

歴史に担保された「公」の究極の体現者で、
国民統合の象徴たる天皇の尊厳と神聖を汚すような振る舞いは、
決してしてはならないという規範意識を、
政治指導者が普通に備えていれば、天皇の国事行為への
助言と承認」にあたり、道を踏み外すことはないはず―
との前提に基づく仕組みと言えよう。

従って、この仕組みが有効に機能するか否かは、
専ら首相の「
公共の利益に奉仕する者」としての、
プライドと嗜みにかかっている。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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