参政党は、安倍晋三亡き後に自民党支持からさまよい出たネト極右の一般層だけでなく、そのタイコ持ちだった輩も着実に取り込み始めたようです。

「天皇陛下に側室を」と言い放った、男尊女卑の権化である神谷宗幣が山口敬之とつるむのは全く意外性が無い…どころか、むしろ〝収まる所に収まった〟感しかありません。

都議選の結果を見ても、自民支持に内包されていたネト極右層が参政党や国民民主党に流出した構図が明確に出ていますが、そこで問いたいのは「自民党はこれからどうするのか？」という所。

確かに自民は大きく議席を減らしましたが、見方を変えると、ネト極右の実数は「今回減った議席から、裏金問題などで離れた支持者を引いたほんの少数」とも推察できます。

ネト極右は（安倍政権時代の自民のように）自分を肯定・甘やかしてくれる政党に吸い取られ、自民支持に戻って来る可能性は非常に低いでしょう（もし高市早苗が首相になるなどしたらわかりませんが、高市の熱烈な支持層ほどむしろ参政党との相性がよさそう）。

しかし、ネト極右の自民離れの最大要因とされる石破政権をしてなお、参院選比例区に「ネト極右クイーン」の杉田水脈を公認するといった〝未練〟がましい仕草を残しています。

ネト極右はノイズとして目立つけど、実数はあくまでマイノリティであり、そのパイを取り合ってもそれこそ「手取りを増やす」みたいな話と変わりません。

そしてこれは、どう考えても今後さらに発展するとは思えない日本会議などとの関係にも同じ事が言えるでしょう。皇統問題での、麻生氏の「ちゃぶ台がえし」なんて、幻滅される事はあっても、あれで票が増える事なんて絶対に無いと言いきれるでしょうし。

自民党が「〝大政党〟としての存在意義」を保てるかどうかは、ネト極右政党との同じパイの取り合いから脱却できるかにかかっています（小政党は「それが全て」なので脱却は不可能なのだから）。

旧弊や、劣化した感情と共に沈んでいくのか、漸進的に変化しながら生き残るか、自民は今が本当に瀬戸際ですよ。