ゴー宣DOJO

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笹幸恵
2018.11.26 14:36ゴー宣道場

移民という名の劇薬

私がいまヘルニアの鎮痛剤として
飲んでいる薬は、相当強烈らしい。

「この上のレベルになると、もうモルヒネしかない」

ホントなのか冗談なのかわからないけど、
誰かからこう脅された。
飲まなきゃ日常生活が送れないから飲むけれど、
こんなものずっと飲み続けていて
身体にいいはずがない。

神経の痛みをマヒさせるから、
日中もダルさが続く。
薬の量がピークだったときは、
気持ち悪さが半端なかった。
ひどいときは2時間近く、身体が
思うようにならず横たわっていた。
便秘にもなるから、便秘薬も追加する。
痛みで眠れないときは睡眠薬も飲む。

要するに薬の副作用を軽減するために
薬を飲む状態。

移民問題もまた同じだ。
労働力不足という国家の痛みに対して
「外国人労働者」という劇薬を投入する。
一時期はホッと肩をなでおろすことができる。
なんとか産業が回っていくような錯覚さえ覚える。
でも、その先は?
劇薬であればあるほど、副作用は強い。
そのひずみは、あちこちで出てくるだろう。

ヘルニアの痛みが治まったら、私は体幹を鍛える。
「体内コルセット」をつくっていくよりほかに、
ヘルニアの再発を防ぐ手立てはないからだ。
同じように、労働力不足の問題だって
長期的な視野で国家の体幹を鍛えなければ、
根本的な解決にはならない。
付け焼刃の対症療法では、いつか、きっと
モルヒネに手を出す。

いや、もしかしたら、今の入管難民法改正案こそ
モルヒネかもしれない。

次回道場は「移民と人権とナショナリズム」を
テーマに開催します。
国家の大きな曲がり角、共に考えていきましょう!
申込締切まであと2日。
お忘れなく!

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笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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