ゴー宣ネット道場

BLOGブログ
トッキー
2022.9.8 17:21メディア

篠田英朗氏は河瀨直美氏を「魔女狩り」したのか?

映画監督・河瀨直美氏が東大の入学式祝辞で、ロシアのウクライナ侵略について「どっちもどっち」論を述べて猛批判を浴びた件について、「表現者クライテリオン」7月号の巻頭コラム「鳥兜」は、河瀨氏を批判した側を猛烈に非難しました。

特に鳥兜筆者は、何故か国際政治学者を目の敵にして「このヒステリックな魔女狩りを先導したのは、『国際法』を笠に着て平和の守護者を自認する、一部の国際政治学者たちである」とまで決めつけています。

では、国際政治学者による批判は本当に「ヒステリックな魔女狩り」だったのか、徹底検証しましょう!

最初に扱うのは、先月の「オドレら正気か?横浜LIVE」にも登壇された、東京外国語大学の篠田英朗教授が行った批判です。

この件に関する篠田氏の発言は、河瀨氏が祝辞を述べた翌日の4月13日からスタートしました。

最初は批判というより「皮肉」です。
「オドレらLIVE」で見せた、皮肉っぽいキャラが垣間見えて面白いですが。

そしてその先、篠田氏は河瀨氏が「アカデミック・ドレス」(大学の式典で着る、学帽とマント等の正装)を纏って登壇したことに、ものすごくこだわっていきます。


アカデミック・ドレス姿で入学式祝辞を述べる河瀨直美氏(東京大学HPより)

 

〈アカデミック・ドレスは、聖職者が宗教儀式で、裁判官が法廷で着るドレスに対応し、個人の資格に属するものではない(学位授与対象者に権威があるのではなく学位に権威がある)。
東京大学が、河瀨氏に最高学府のアカデミズムの特別権威を与えて話をさせたことは否定できない。〉

個人には権威がなく、アカデミック・ドレスに権威があると篠田氏は指摘します。
だから河瀨氏個人にではなく、河瀨氏にアカデミック・ドレスを着せて式典で発言させ、その言葉に「お墨付き」を与えた東京大学にこそ問題があるというのです。
以下、篠田氏の主張は次のように続いています。

〈「皆さん、何を見ても、どっちもどっち、「正義」なんてそんなものさ、とか呟いておくと、とっても学者っぽく見えるんですよ」っていう映画監督の定言命題を、東大が最高学府のアカデミックドレスをまとわせて権威付けしたのか、一体何だったのか、一人の学者として非常に関心がある。〉

〈ロシアの「正義がウクライナの正義とぶつかり合っている」のが「ものの本質」だと、東京大学入学式でアカデミックドレスを着て壇上から断言していることがポイント。
「事情」や「利益」などではなく、「正義」だと断言している。東京大学でアカデミックドレスを着て。〉

〈「ことの本質」は、東京大学は「ロシアにも正義がある」と本当にアカデミックドレスで権威づけているのか、あるいは、「正義だか、事情だか、利益だか、そんな面倒なことは考えないですよ、全部ふわっとやっていきますから、ふわっとね、それが大学」、という宣言なのか、ということ。〉

篠田氏は、河瀨氏やその発言自体を、直接の批判の対象にすらしていません。
河瀨氏の発言はあまりに低レベルで、その是非を論じる必要すらないということを前提にしています。
その上で、こんなひどいもんにアカデミック・ドレスを着せ、「最高学府」のお墨付きを与えた東京大学はおかしいと批判しているのです。
そして篠田氏は、こんな有様の東京大学は、そもそも「正義」について考えたことがあるのかと追及しています。

〈東京大学にとって、「正義」とは何なのか、という問い。

「正義」というのは「Justice」。「司法」と同じ。
「言い分」「事情」「立場」「利益」とかではない。
人類史に「Justice」に関する議論は膨大にある。それを全部知っていて、「ロシアの正義」を、最高学府である東京大学がアカデミックドレスをまとわせて権威づけたのかどうか。それがポイント。〉

東大は、河瀨直美氏が言ったあの幼稚な「正義」観を、最高学府として権威づけたのか?
これは確かに、東大に聞いてみたいところです。

最後に篠田氏は、この件をこのツイートで締めくくっています。

本当に、ウクライナの当事者の言葉を見ると、平和ボケしまくって「どっちもどっち論」なんか言ってる日本人が恥ずかしくてたまらなくなります。

ともかく篠田氏は、河瀨氏の発言自体は徹頭徹尾「論外」の扱いにしており、批判している相手は、「論外」に権威を与えた東京大学です。
鳥兜著者が篠田氏に対して、「ヒステリックな魔女狩り」をした国際政治学者として非難しているとしたら、それは完全に誤りで、誹謗中傷といえます。
そもそも鳥兜著者が、ここまで「論外」な河瀨氏の発言を躍起になって擁護しているというのも、おかしすぎるのですが。

藤井聡編集長! こんなライターは、さっさとクビにしなきゃダメですよ。
こんなバカに巻頭コラム書かせてたら、雑誌の信頼性に関わりますよ!!

 

【ロシベタクライテリオン論破祭り】
第1回 ウソついて逃げるクライテリオン藤井聡!
第2回 ロシアのプロパガンダを「多面的な解釈」と強弁する藤井聡!
第3回 道路交通法と国際法の区別がつかない藤井聡!
第4回 藤井聡の言う「多面的解釈の外交」とは何か?
第5回 NATOの東方拡大はアメリカの「裏切り」か!?
第6回 確かにアメリカは悪い! けど…?
第7回 ロシア経済崩壊の「主犯」は誰か?
番外編 藤井氏動画コメントに見る、クライテリオン読者・支持者の「程度」
第8回 藤井聡が依拠する、伊藤貫の「国際情勢認識」の正体
第10回 藤井聡氏に小学校の国語のテスト。
第11回 クライテリオンは朝日と産経の「悪いとこ取り」
第12回 ブチャ虐殺を「フェイク」だと思っていた藤井聡
第13回 「魔女狩り」という言論封じワード
第14回 もう一度、道交法と国際法の違いについて。
第15回 藤井聡氏の国際法軽視は西部邁氏の悪影響か?
第16回 明日よりクライテリオン論破祭り、最終章!
第17回 河瀨直美の祝辞はどう見ても「どっちもどっち論」「相対主義」(しかも日本絶対悪主義)だ!

トッキー

次回の開催予定

特別回

特別回 令和4年 10/9 SUN

テーマ: オドレら正気か?in神戸「密教で語るとどうなるか?」

INFORMATIONお知らせ